救急医療の現場と実情

救急医療は入院が必要でない患者を受け入れる一次救急、入院が必要な患者を受け入れる二次救急、集中治療が必要な三次救急があります。まず救急救命士がこれらの判断をして、病院に連絡し受け入れ体制があるか確認します。一次救急や二次救急の病院では必ずしも救急専門の看護師が待機しているとは言えず、外来の看護師が兼任している場合があります。
看護師の役割は検査の依頼や医療処置をはじめ、家族への対応と連絡、入院の場合は病棟への引継ぎなどを迅速に進めなければなりません。救急車ではなく直接タクシーなどで病院に来る人に対しては注意が必要です。症状が軽そうに見えて、すぐに対応せずにいると急に様態が悪化するようなこともあるからです。
救急医療に従事する看護師にはトリアージ(診療の優先度を判断する)の知識も必要になります。三次救急はICU(集中治療室)のある総合病院が対象になってきますので、救急隊員から連絡が来るとICUの看護師があらかじめ情報を得て、すぐに対応できるよう準備をします。そして、手術が必要な場合は手術室への引継ぎや準備、ICUでの看護が始まります。
三次救急では意識不明であったり、全身管理が必要になることが多いので常に緊張が強いられます。また、残念ながら亡くなってしまう人もいるわけですから、家族とのコミュニケーション能力が高い人が望まれます。このような特殊性があるので、救急認定看護師が設けられています。しかし、やりがいは見つけられるもののストレス度が高い職場であり、長く勤めるには相当の覚悟と使命感が必要となるので、常に人手不足な状態が続いているのが現状です。